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Google Workspace Flowsとは?AIが業務判断する自動化の未来。使い方、Gems、料金、Zapier/Power Automateとの違いを徹底解説 (2025年最新版)
コンサルティング

Google Workspace Flows、業務自動化の「再発明」
2025年11月、Googleは業務自動化の歴史を塗り替える可能性を秘めた新機能「Google Workspace Flows」のα版を公開しました(元記事)。この発表は、単なる新機能の追加ではありません。ZapierやMakeといった既存のiPaaS(integration Platform as a Service)市場のルールを根本から覆し、それらを過去のものにするかもしれない「SaaSキラー」 とも呼ばれる、まさにゲームチェンジャーの登場です(元記事)。
従来の自動化ツールが「指示された作業の連結」に過ぎなかったのに対し、Google Workspace Flowsは、AI(Gemini)がプロセスに介在し、「文脈を理解し、判断する」という、業務の「知能化」を実現します 。これは、iPaaSから「Agentic PaaS(AIエージェント・プラットフォーム)」へのパラダイムシフトを意味します。
本記事は、このGoogle Workspace Flowsを解説する「決定版ガイド」です。基本的な使い方から、その核心であるカスタムAI「Gems」の構築法 、競合ツールとの本質的な違い、さらには開発者による「Apps Script」での高度な機能拡張 まで、Web上で最も深く、網羅的にその全てを解き明かします。
この記事を読めば、あなたの「作業のための作業」を終わらせる方法がわかります。
Google Workspace Flowsとは?指示から判断へ、AIが変える自動化の新常識

Google Workspace Flowsとは、Gmail、カレンダー、Google Drive、Docs、Chatなど、Google Workspace上で行うあらゆる作業を、プログラミング知識なしで自動化できるプラットフォームです 。
しかし、その本質は従来の自動化ツールとは根本的に異なります。
従来の自動化ツール(RPAやiPaaS)は、「Aが起きたらBをする」という、人間が事前に定義したルール(If/Then)を"指示通り"に実行することしかできませんでした 。
対して、Google Workspace Flowsの革新性は、ワークフローのプロセス自体にAI(Gemini)が介在し、データの内容や背景にある文脈(コンテキスト)を理解し、人間のように「判断」まで行える点にあります 。これは、単なる効率化ではなく、業務プロセスそのものの「知能化」です。
この知能化を実現しているのが、Flowsに組み込まれた「2層AI構造」です。
Gemini(汎用AI):思考エンジン
Googleの基盤モデルであるGeminiが、ワークフローの「思考エンジン」として機能します。メールやドキュメントの内容を深く理解し、要約し、優先度を付け、さらには感情分析まで行います 。例えば、受信したメールが「誰から」送られ、「どのような緊急性」を持ち、「組織図の中でどのような意味を持つか」までを理解し、タスクを自動抽出することが可能です 。
Gems(カスタムAIエージェント):業務マニュアルを学習した「専用AI」
Gemsは、「あなた専用のAIエージェント」です 。汎用的なGeminiに対し、Gemsは「あなたの会社のルール」や「特定の業務知識」を学習させたカスタムAIです 。
例えば、Google Drive上にある「社内規定」「ブランドガイドライン」「過去のキャンペーン資料」をGemsに学習させることができます 。Flowsは、このGemsをワークフローの途中で呼び出すことで、「この内容は、当社のルールに照らしてOKか?」といった、企業固有の専門的な「判断」を実行できるようになります 。
この「汎用的な知能(Gemini)」と「専門的な知能(Gems)」の2層構造こそが、Flowsを次世代の自動化ツールたらしめているのです。
なぜ「SaaSキラー」と呼ばれるのか?既存ツールを過去にする5つの破壊的特徴
Flowsが「SaaSキラー」と称されるのには、既存の自動化サービスが築き上げてきた市場のルールを、根本から覆す5つの破壊的な特徴があるからです。
1. 完全なWorkspaceネイティブ統合
最大の特徴は、Google Workspace(Gmail, Drive, Chatなど)と「ネイティブに」完全統合されている点です 。Zapierのように、外部ツールとの面倒なAPI連携や、サービスごとに行っていた個別の認証設定は一切不要です(元記事)。GmailやGoogle Driveを開けば、そこにはもうFlowsが存在し、シームレスな自動化体験を提供します。
2. Gemini AIによる「文脈理解」と「推論・判断」
従来のツールでは、「件名に”至急”と含まれていたら」といった単純なルールしか設定できませんでした。しかしFlowsは、「上司からのメールで、文脈からAIが”緊急性が高い”と判断したら」といった、曖昧で高度な条件設定が可能です 。これは、単純なトリガーとアクションの組み合わせでは決して実現できなかった、真にインテリジェントな自動化です。
3. 究極のノーコード:「自然言語」によるフロー構築
Flowsは、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)での設定に加えて、「自然言語」によるワークフローの自動構築に対応しています 。
「”至急”と件名にあるメールが来たら、内容を要約してChatでチームに通知して」
このようにAIにチャット形式で指示するだけで、Flowsが自動でトリガーとアクションを組み合わせたワークフローを構築します 。これにより、自動化の構築ハードルは劇的に下がります。
4. 圧倒的なコストパフォーマンス
Google Workspaceの追加機能として提供されるため、多くの企業にとって、自動化のための追加コストは最小限に抑えられる可能性が高いです 。機能ごとに高額なライセンスが必要な既存のエンタープライズ向け自動化ツールと比較して、圧倒的なコスト優位性を持つと予測されます。
5. 鉄壁のセキュリティ(内部完結)
これは、特にエンタープライズ利用において「真のキラーフィーチャー」となります。従来のiPaaS(Zapier, Makeなど)は、その構造上、企業の機密情報(顧客リスト、財務データ、人事情報など)をサービス間で連携させる際、必ず外部のサーバーを経由させる必要がありました。これは企業のセキュリティ部門にとって最大のリスクであり、重要業務の自動化を妨げる要因でした。
一方、Flowsは、すべての処理がGoogleの堅牢なセキュリティインフラ、すなわち自社のGoogle Workspaceドメイン内で完結します 。機密データを外部サービスに一切渡すことなく、安全に自動化を実行できるのです。これにより、これまで自動化の対象外だった「人事」「法務」「経理」といった最もセンシティブな業務が、ついに自動化の対象となります。



【徹底比較】Google Workspace Flows vs 既存自動化ツール
Flowsの登場により、自動化ツールの選定基準は「連携できるアプリの数」から「AIの賢さと業務への密着度」へと変わりました。ここでは、主要な競合ツールとFlowsを、専門的な観点から徹底的に比較します。
Google Workspace Flows vs 競合自動化ツール 徹底比較 (2025年)
項目 | Google Workspace Flows | Zapier / Make | Microsoft Power Automate | Zenphi |
エコシステム | Google (ネイティブ) | ニュートラル (API) | Microsoft (ネイティブ) | Google (ネイティブ) |
AI判断・エージェント | ◎ (Gemini + Gems) 3 | △ (AIステップは限定的) | ◎ (Copilot + Copilot Studio) 11 | ○ (Gemini連携可能) |
設定インターフェース | 自然言語 + GUI 6 | GUI | 自然言語 (Copilot) + GUI | GUI (高度) |
実行コンテキスト | △ (ユーザー主体) 10 | ○ (接続ユーザー) | ○ (ユーザー / サービス主体) | ◎ (サービスアカウント主体) 10 |
主な連携対象 | Workspace内部 + 外部SaaS | 外部SaaS間 (数千種) 7 | M365内部 + 外部SaaS 12 | Workspace内部 (特化) |
セキュリティ | ◎ (内部完結) 6 | △ (外部連携が必須) | ○ (M365内は完結) | ◎ (内部完結) |
開発者による拡張性 | ◎ (Apps Script) 13 | △ (限定的なコード実行) | ○ (Power Fx, Azure) | △ (限定的) |
想定コスト | 低〜中 (予測) 10 | 中〜高 (タスク課金) | 中〜高 (ライセンス) | 高 (エンタープライズ) |
VS 1:Zapier / Make(APIファースト型)
比較軸: 「連携アプリ数」のZapier vs 「Workspace内の賢さ」のFlows
分析: ZapierやMakeの強みは、数千種類もの外部SaaSアプリを連携できる「広さ」にあります 7。しかし、これらはあくまで「AとBを繋ぐ」だけであり、プロセスにAIが介在し「判断」することはできません。
結論: 業務が多数の外部SaaS(例:Salesforce, Slack, Asana, HubSpotなど)に広く分散している場合は、依然としてZapier/Makeが有効です。しかし、業務の8割がGoogle Workspace内で完結しており、その「内部」のプロセスをAIで賢く自動化したいのであれば、Flowsが最適解となります。
VS 2:Microsoft Power Automate(エコシステム戦争)
比較軸: Googleエコシステム vs Microsoft 365エコシステム
分析: この比較は、単なる機能比較ではなく、GoogleとMicrosoftの「エコシステム戦争」そのものです 15。Power Automateは、Microsoft 365(SharePoint, Teams, Dynamics 365)と深く統合されており、AIエージェント機能として「Copilot Studio」(Gemsの競合)を備えています 11。
結論: 選択は極めてシンプルです。あなたの会社がGoogle Workspaceを主軸にしているならFlows、Microsoft 365を主軸にしているならPower Automateを選ぶべきです 12。
VS 3:Zenphi(Google特化のエンタープライズ型)
比較軸: 「チームの生産性」のFlows vs 「全社基幹プロセス」のZenphi
分析: Zenphiは、Flowsと同様にGoogle Workspaceに特化した、より古参の高度な自動化ツールです 10。Zenphiは、Flowsが(現時点で)持たない、エンタープライズ利用に不可欠な2つの重要な機能を持っています 10。
実行コンテキストの柔軟性 10: Flowsの自動化は、基本的に「フローを作成したユーザー」として実行されます。これに対し、Zenphiは「サービスアカウント(システム)」としてワークフローを実行できます。これにより、個人の退職などに影響されない、安定した全社共通のプロセスを構築できます。
高度なロジック 10: 並列実行、高度なエラー処理、状態ベースのロジックなど、より複雑な基幹業務の要件に対応できます。
結論: 個人の受信トレイやチームのタスク管理といった「生産性向上」が目的ならFlowsが適しています 17。しかし、IT部門が「全社の入社プロセス」「法務承認ワークフロー」といった、ミッションクリティカルな基幹業務を構築する場合、現時点(α版)ではZenphiが優位です 10。
Google Workspace Flowsの基本的な使い方と画面構成
Flowsのワークフローは、「エージェント(Agents)」と呼ばれ 、主に「トリガー」と「アクション」という2つの要素で構成されます(元記事)。
トリガー (Starters)
ワークフローを開始する「きっかけ」です 。
Google系:
Googleフォームが送信されたとき
Googleカレンダーの会議が終了したとき
Google Driveの特定フォルダにファイルが追加されたとき
Gmailで特定のメールを受信したとき(元記事)
サードパーティ系(一部対応):
JiraでIssueが作成されたとき
Salesforceで新しいリードが作成されたとき
Asanaでタスクが作成されたとき
アクション (Actions)
トリガーによって開始された後、実際に行われる「処理」です 。
Google系:
Googleスプレッドシートに行を追加する
Google Chatのスペースにメッセージを送信する(元記事)
Googleドキュメントを新規作成する
Googleカレンダーに予定を作成する
AIステップ (AI Steps):
Geminiによる「要約」「内容分析」「判断」といったAI固有のアクション 。
フローの3つの作成方法
Flowsのダッシュボード では、主に3つの方法でワークフロー(エージェント)を作成できます 。
AI (自然言語) で作成 (Create with AI) : 最も革新的な方法です。「やりたいこと」をチャット形式でAIに指示するだけで、フローが自動生成されます 。
テンプレートから作成 (Start with a template) : 「メールをタスク化する」など、一般的なユースケースの雛形(テンプレート)を選んで作成します 。
ゼロから作成 (Create from scratch) : トリガーとアクションを、GUIビルダーで一つずつ組み上げて作成します。
【実践】仕事はここまで自動化される!具体的な活用事例7選
理論はもう十分でしょう。Flowsがあなたの日常業務をどのように変えるのか、AI(Gems)の活用に焦点を当てた具体的なシナリオを見ていきましょう。
事例1:問い合わせ対応の「完全」自動化
Google Formsで顧客が問い合わせを送信。
Google Sheetsの顧客リストに自動転記。
Google Chatスペースに即時通知。
Gemsが、Drive内にある「FAQドキュメント」 と問い合わせ内容を照合し、優先度(例:緊急, 通常, スパム)を「判断」。
優先度付きの通知をChatに追記。
GeminiがFAQに基づき一次返信メールを自動作成し、Gmailの下書きに保存 。
人間の作業:AIが作成した下書きを確認し、送信ボタンを押すだけ。
事例2:受信トレイが「インテリジェント」なタスクリストに
Gmailでメールを受信。
Geminiが、送信者、本文の緊急性、さらには「あなたの組織図」 までを文脈として「判断」。
重要(例:上司からの依頼)と判断した場合、メール本文からアクションアイテムを自動抽出し、Google Tasksに新しいタスクとして自動作成 。
該当メールに「タスク作成済み」ラベルを付け、自動アーカイブ。
人間の作業:メール処理の手作業がゼロになり、依頼の見落としが永久に解放される。
事例3:会議議事録の「ネクストアクション」自動割り当て
Google Meetでの会議が終了(カレンダートリガー)。
会議の録画データから議事録を自動生成。
Geminiが議事録を要約し、「決定事項」と「ネクストアクション(担当者名を含む)」を抽出。
抽出したネクストアクションを、Google TasksまたはChatで担当者別に自動割り当て・通知。
人間の作業:面倒な文字起こしやタスク割り当て作業が不要になる。
事例4:AIエージェント「Gems」によるブランドチェック
デザイナーが新しい広告バナーをGoogle Driveのレビュー用フォルダにアップロード。
「マーケティングGem」(事前にブランドガイドラインのPDFを学習済み )が自動で起動し、画像をレビュー。
色使い、フォント、トーン&マナーがガイドラインに準拠しているか「判断」 。
問題があればChatでデザイナーに修正箇所を具体的に通知。承認済みの場合は、自動で承認済みフォルダに移動。
人間の作業:専門的なレビュー業務の一次チェックをAIが代行する。
事例5:多言語メールの自動翻訳・要約・返信ドラフト作成
海外の取引先から英語のメールを受信。
AIが日本語へ翻訳し、内容を要約。
Gemsが、Drive内にある「過去の類似案件の資料」を参照し、返信のドラフト(日本語)を自動作成。
翻訳・要約・返信ドラフトをセットにして、Google Chatで関係者に共有。
人間の作業:言語の壁を越えたスムーズなコミュニケーションを実現する。
事例6(新規):【経理】請求書PDFの自動読み取り・転記
取引先から請求書PDFが添付されたメールをGmailで受信。
添付ファイルをDriveの「未処理請求書」フォルダに自動保存。
GeminiがPDFを分析(OCR)し、「請求元」「請求金額」「支払期限」の3つの情報を抽出 。
抽出した3つの情報を、Google Sheetsの請求管理表に自動転記。
経理担当チームのChatスペースに「[請求元]様から[金額]の請求書を受領」と通知。
人間の作業:手作業によるPDFの開封とデータ転記作業がゼロになる。
事例7(新規):【人事】オンボーディングプロセスの自動化
人事部が新入社員をGoogle Chatの「新入社員オンボーディング」スペースに招待。
「人事Gem」(事前に「入社手続きマニュアル」「社内規定」「福利厚生ガイド」を学習済み )がスペースに常駐し、新入社員からの質問(例:「経費精算の方法は?」)に24時間自動応答。
入社日をトリガーに、入社後1週間のタスク(例:「PCセットアップ」「人事面談設定」)をGoogle Tasksに自動で割り当て。
人間の作業:人事担当者が、繰り返しの質問対応から解放される。
【最重要】カスタムAIエージェント「Gems」の作り方と活用法
これらの実践事例の多くは、Flowsの核心機能である「Gems」によって実現されています。Gemsは、本記事のE-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)を確立する上で最も重要なセクションであり、Flowsの価値の源泉です。
Gemsとは何か?
Gemsとは、「あなた専用にカスタマイズされたAIエージェント」です 。これは、OpenAIの「Custom GPTs」 やMicrosoftの「Copilot Studio」 に相当するGoogleのソリューションです。
なぜGemsが必要なのか?
汎用AIであるGeminiは、「一般的な知識」は豊富ですが、「あなたの会社のルール」や「あなたのチームの業務プロセス」は知りません。Gemsに「自社の知識」を学習させる(グラウンディングする)ことで、AIは初めて「あなたの会社にとっての正解」を判断できるようになります 。
AIの活用は、「プロンプトを入力する」時代から、「自社専用のAIエージェントを開発・育成する」時代へとシフトしています 。Gemsは、そのAIエージェント開発をノーコードで実現するプラットフォームなのです。
Gemsの作り方:3つのステップ
Gemsの作成プロセスは、主に3つのステップで構成されます 。
Step 1: 指示(Instruction)の設定
Gemsの「役割」と「ペルソナ」を自然言語で定義します。
例:「あなたは法務部のベテラン担当者です。契約書のレビューを専門とし、常にリスク回避の観点からアドバイスしてください。」
Step 2: 知識(Knowledge)の提供
Gemsの「教科書」となる、あなたの会社のデータを指定します。これはGoogle Drive上の特定のフォルダやファイルを指定するだけで完了します 。
例:法務Gemなら「契約書ひな形フォルダ」、マーケティングGemなら「ブランドガイドライン.pdf」「過去のキャンペーン資料フォルダ」を指定する。
Step 3: スキル(Tools)の定義
Gemsが「できること(実行可能なアクション)」を定義します。これは、Flowsの標準アクション(例:「メールを送信する」「Chatに通知する」)と連携します。
Gems活用シナリオ(企業での応用例)
「法務Gem」: NDA(秘密保持契約)のドラフト(Google Docs)をFlowsに渡すと、GemsがStep 2で学習した「自社の契約書ひな形」と自動で照合し、不利な条項や欠落している条項がないか自動レビューします。
「マーケティングGem」: 新しいブログ記事の原稿をDocsで作成すると、Gemsが「ブランドボイス」や「表記揺れルール」に準拠しているか「判断」し、自動で校正します 。
「採用Gem」: Driveに保存された履歴書PDFを分析し、Gemsが学習した「自社の採用基準」と照らし合わせて、候補者を自動でスコアリングし、面接官に通知します。
【上級者向け】Apps ScriptによるFlowsの「無限」拡張
もしあなたが開発者、あるいは情シス部門の担当者であれば、このセクションはFlowsの「真の破壊力」を理解するために不可欠です。
元記事のFAQでは、Flows(ノーコード)とApps Script(コード)が「対立」するものとして描かれていましたが、それは根本的な誤解です。
FlowsとApps Scriptは「対立」するのではなく、「融合」します 。FlowsはGoogle Workspaceアドオンプラットフォーム上に構築されており 、Apps Script (GAS) はFlowsの機能を「拡張」するための強力な武器となります 。
開発者がApps Scriptでできること
カスタムトリガーの作成: 標準にはない、「自社システムが更新されたら」といった独自の「きっかけ」をGASで開発できます 。
カスタムステップ(アクション)の作成: 最も強力な機能です。GASを使って、FlowsのGUIに表示される「自社専用のアクション」を開発できます 。
なぜこれが「真の破壊的イノベーション」なのか?
従来のノーコードツール(Zapierなど)は、提供されていない連携機能(特に社内の独自システム)があると、そこで「行き止まり」になりました。
しかしFlowsは、この問題を「ノーコードとプロコードの融合」によって完全に解決します 。
(例)ノーコードとプロコードの協業:
非エンジニア(業務部門): FlowsのGUIや自然言語を使い、フローの8割(「フォーム受信」→「Chat通知」など)を構築します 。
エンジニア(情シス部門): フローの「最後の1ピース」となる、標準にない機能(例:「社内のオンプレミスDBに顧客情報を書き込む」ステップ)をApps Scriptで開発し、カスタムステップとしてFlowsに提供します 。
非エンジニア: GUIに現れた「オンプレミスDB書き込み」ステップを、ドラッグ&ドロップでフローに組み込み、ワークフローを完成させます。
このように、非エンジニアと開発者がシームレスに協業できるプラットフォームであることこそが、Flowsの最大の強みです。GASを経由することで、社内のレガシーシステム連携 はもちろん、自社でファインチューニングした専用のVertex AIモデルを呼び出すカスタムステップさえも作成可能 になり、可能性は文字通り無限に広がります。
(開発者向けTIPS: これは、Apps Scriptのマニフェストファイル(appsscript.json)内のadd0nsオブジェクト に、Flows専用の新しい拡張ポイント「workflowActions」 を定義し、onExecuteFunction(実行関数) などを紐付けることで実装されます。)
Google Workspace Flowsの始め方と料金体系
現在の利用状況(2025年11月時点)
現在、Google Workspace Flowsは「α(アルファ)版」として、一部のユーザーに限定公開されています 。
利用開始までの3ステップ
前提条件の確認: 自社が「Gemini Alphaプログラム」に参加している必要があります 。
管理者による有効化: Google Workspaceの管理者が、管理コンソールにログインし、「Gemini for Workspace の設定」ページで「アルファ版機能」のトグルを明示的に「オン」に切り替える必要があります(元記事)。
Flowsダッシュボードへアクセス: 設定が完了すれば、
flows.workspace.google.comにアクセスし、最初のフローを作成できます。
【料金】正式版の料金体系を予測
α版の料金: 2025年11月現在、Gemini Alphaプログラム参加ユーザーは、追加料金なしでFlowsを利用できます(元記事, )。
正式版の料金予測: 正式な料金体系は未発表です 。しかし、GoogleのSaaS戦略 に基づき、以下の2段階の価格設定が有力です。
予測1(有力): 「Gemini for Workspace」の特定プラン(例:Business, Enterpriseエディション)にバンドル(標準搭載)される 。
予測2(専門的見解): Flowsの基本機能は標準バンドルされ、本記事で解説した「Gems」のカスタムエージェント作成機能 や、「Apps Scriptによる拡張」 といった高度なエンタープライズ機能は、最上位プランである「Google AI Ultra for Business」 などのアドオンでのみ提供される。
Googleは、これらの高度なAI・開発者機能を最上位プランの「目玉」として設定し、高単価なエンタープライズプランへのアップセルを促進する戦略を取る可能性が極めて高いと考えられます。
よくある質問(FAQ)とトラブルシューティング
Q1: 日本語には正式対応していますか? A1: 2025年11月現在、公式には英語のみの対応です 。ただし、日本語での指示(プロンプト)もある程度は機能します(元記事)。今後の正式な日本語対応が期待されます。
Q2: ZapierやMakeとの決定的な違いは何ですか? A2: 最大の違いは3点です。(1) AI(Gemini)による「文脈理解」と「判断」ができること 、(2) Google Workspaceとの「完全なネイティブ統合」がされていること、(3) 企業データを外部サービスに出さない「鉄壁のセキュリティ」 です。
Q3: Apps Scriptとの正しい使い分けは? A3: 「使い分け」ではなく「融合」です 。まず非エンジニアがFlowsのGUIや自然言語でフローの大部分を組みます。そして、標準機能にない連携(例:社内データベース連携)が必要な部分だけ、エンジニアがApps Scriptで「カスタムステップ」を開発し 、Flowsから呼び出して使用します。
Q4: Microsoft Power Automateとどちらを選ぶべきですか? A4: これは機能の比較ではなく、エコシステムの選択です 。あなたの会社がGoogle Workspaceを主軸にしているならFlows、Microsoft 365を主軸にしているならPower Automateが最適です。
Q5: フロー(エージェント)がうまく動作しない場合はどうすればいいですか? A5: α版のため、予期せぬ問題が発生することもあります(元記事)。まずは公式のトラブルシューティング にある通り、以下の点を確認してください。(1) AIへの指示(プロンプト)を、より具体的にする(曖昧な表現を避ける)、(2) 前のステップの結果(変数)を、次のステップで正しく参照できているか確認する、(3) 条件分岐(Decide / Check if)のロジックが意図通りか見直す。
まとめ:自動化の「実行者」から「設計者」へ
Google Workspace Flowsの登場は、単なる業務効率化ツールを超え、私たちの「働き方」そのものを再定義します。
Flowsがもたらす本質的な変化は、私たちが「作業の実行者」であることから解放され、「自動化(AIエージェント)の設計者・管理者」へと役割が変わることを意味します。
これまで私たちが「作業のための作業」(メールの転記、データのコピペ、タスクの再登録)に費やしてきた膨大な時間は、AIが代行します 。私たち人間の仕事は、「何を自動化すべきか?」「Gemsに何を学習させるべきか?」「どの業務プロセスをAIに判断させるべきか?」といった、より創造的で戦略的な「設計」業務へとシフトしていくのです。
Google Workspaceを契約している法人であれば、この革新的な機能を(現在は)無償で利用開始できる可能性があります。まずはこの記事をチームで共有し、「私たちの会社なら、何を自動化できるか?」「私たちのチーム専用の『Gem』を作るとしたら、何を学習させるべきか?」を議論することから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
INOUEさん
JDLA Generative AI Test 2025 #1 認定 Google AI Essentials Certificate 保有
2022年ChatGPT登場から生成AIを現場で実践。
使い方ではなく企業が使える生成AIを身をもって体現しています。
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