Claude Onboarding — Hands-on Manual

Claude 導入マニュアル

Claudeを業務に導入し、安全に運用するための
準備・設定・ルールをまとめたマニュアル。

Ver. 1.0
Powered by Claude
Agenda

本マニュアルの構成

01

導入の全体像

目的・体制・進め方の整理

02

プランと使い方

プラン比較・Desktop・Cowork の基本

03

環境と指示の設計

フォルダ・Projects・CLAUDE.md

04

自動化

Skills・Hooks・権限・MCP

05

業務への応用

Chrome・Microsoft 365 での実務活用

06

運用・安全と導入支援

統制・安全ルール・導入ロードマップ

Section
01

導入の全体像

導入の目的と体制、進め方の全体像を整理する。

Chapter 01 — Purpose

試験導入の目的

全社導入の前に、定型業務を対象として効果と安全性を確認する。

  • 定型業務の時間短縮。議事録・通知文・FAQ作成など、繰り返しの文章作業を対象とする。
  • 属人化の解消。判断基準やルールを文書化し、対応品質を均一化する。
  • 段階的な検証。範囲と権限を限定して試験運用する。
  • 判断材料の整備。試験運用の結果をもとに、今後の方針を判断する。
Chapter 01 — Detail

試験導入の背景と進め方

多くの組織は、議事録・通知文・FAQ・各種申請対応など、型が決まっていて繰り返しの多い文書業務を数多く抱えている。これらは効果を測りやすく、対象範囲も限定しやすいため、全社導入に先立つ試験導入の対象として適している。本マニュアルでは、講師が指導し責任者1名が環境を整備する体制のもと、限定された範囲・権限で安全に検証を進める手順を示す。

背景

定型業務は担当者ごとにやり方が異なり、品質や所要時間にばらつきが生じやすい。判断の根拠や過去の対応がドキュメント化されていない場合、引き継ぎや繁忙期の対応に負荷がかかる。こうした課題に対し、判断基準とルールを文書化し、誰が対応しても同じ品質を保てる状態を目指す。

ねらい

第一に、繰り返しの文章作業にかかる時間を短縮する。第二に、属人化を解消し対応品質を均一化する。第三に、範囲と権限を限定した段階的な検証により、安全性を確認したうえで全社展開の判断材料を整備する。

進め方

  1. 1環境を整える。責任者がフォルダ・Projects・CLAUDE.md を整備し、参照資料を配置する。
  2. 2定型業務で試す。議事録・通知文の下書きを実務で運用し、型と例文を蓄積する。
  3. 3手順を部品化する。繰り返す作業を Skill 化し、呼び出すだけで使える状態にする。
  4. 4ふりかえる。成果と課題を整理し、対象業務とメンバーの拡大可否を判断する。
Section
02

プランと使い方

プランごとの機能差を確認し、Desktop・Cowork の基本操作を押さえる。

Chapter 02 — Prerequisites

利用の前提条件

研修の前に、プラン・権限・アプリの準備を確認する。

項目内容
プランTeam / Enterprise(Cowork・Claude Code は有料プラン)
ログイン会社アカウント(SSO 連携を推奨)
アプリClaude Desktop をインストールする
利用可否Desktop・Projects=全員/Cowork=有料プラン/Code=改善担当のみ
接続Google Drive・Slack 等は必要最小限を管理者が許可
安全個人情報の取り扱い範囲を事前に明文化する
Chapter 02 — Plans

プラン別の機能対応表

✓ 利用可 / △ 制限あり / − 不可。自社のプランで使える範囲を確認する。

機能FreeProMaxTeamEnterprise
通常チャット
Projects(業務の作業場)
Cowork(ファイル横断作業)
Claude Code(半自動処理)
Skills(手順の部品化)
MCP / コネクタ
ナレッジ共有・共同運用
メンバー管理・権限(RBAC)
SSO/SCIM・監査・データ保持

※ 個人プラン(Pro/Max)は各自利用が基本で、ナレッジ共有・中央管理はできません。部署で共通運用するなら Team 以上が必要です。最新の対応状況は公式のプラン表で確認してください。

Chapter 02 — Models

モデルの使い分け:Opus・Sonnet・Haiku

名前がクラス、数字が世代を表す。既定は Sonnet、難所だけ Opus、大量処理は Haiku。

モデル位置づけ向く業務API価格(入力/出力)
Opus 4.8最上位。最も深い推論設計判断・複雑な分析・長時間のエージェント作業$5 / $25
Sonnet 4.6バランス型。既定モデル文書作成・要約・翻訳・日常のコーディング$3 / $15
Haiku 4.5最軽量・最速分類・抽出・大量の定型処理・リアルタイム応答$1 / $5
Fable 5Mythosクラス(最高性能)長時間の自律タスク。詳細は次ページ$10 / $50

※ 100万トークンあたりの価格。2026年6月時点の世代。まず Sonnet で試し、2〜3往復して収束しないときだけ Opus に切り替える。Claude Code では /model で切替でき、計画は Opus・実装は Sonnet の併用もできる。

Chapter 02 — Fable 5

最新モデル:Claude Fable 5 / Mythos 5

2026年6月9日公開。Mythosクラスの能力を、安全装置つきで一般利用に開放したモデル。

項目内容
位置づけMythosクラス初の一般提供モデル。一般提供済みモデルとして最高性能
得意領域ソフトウェア開発・ナレッジワーク・画像理解・長時間の自律タスク
安全装置サイバーセキュリティ・生物・化学等の高リスク要求は Opus 4.8 が代替応答(発動はセッションの5%未満)
提供範囲Pro / Max / Team / シート制 Enterprise に追加費用なし(6/22まで)。6/23以降はクレジット制に移行
API価格入力 $10 / 出力 $50(100万トークンあたり)
Mythos 5同一モデルの制限緩和版。審査済みのサイバー防衛・インフラ組織に限定提供

※ Mythosクラスの利用には30日間のデータ保持が必須となる(既存のゼロ保持契約にも優先)。法人導入では自社のデータ保持ポリシーへの影響を事前に確認すること。

Chapter 02 — Recommendation

プラン別のおすすめ運用

自社のプランに合わせて、無理のない使い方を選ぶ。

Free

まず試す

チャットで文案・要約から。Projects などは制限あり。

Pro / Max(個人)

個人で使いこなす

Projects・Cowork・Code・Skills を各自で活用。共有・統制はできない。

Team ★ おすすめ

部署で共有運用

共通ナレッジとメンバー管理で、部署に本格導入できる。

Enterprise

全社で統制

SSO・監査・RBAC でガバナンスを効かせる。

Chapter 02 — Use Cases

まず「用途別」に使い分けを決める

業務の場面ごとに、使用するツールを使い分ける。

用途使うもの向いている業務
ちょっとした相談・文案通常チャット社内通知、メール、説明文、議事録の整形
部門ナレッジ付き相談Projects社内規程FAQ、申請フロー、備品管理、入退社対応
複数ファイルをまたぐ実作業Coworkファイル整理、資料作成、契約・報告書の要点抽出
半自動化・一括処理Claude CodeCSV整形、ファイル名変更、定型資料生成
繰り返し手順の標準化Skills / CLAUDE.md議事録化、社内通知、稟議チェック、FAQ更新
資料・デザイン作成Claude Designスライド、ワンページ資料、画面モック、マーケ素材
Chapter 02 — Desktop

Claude Desktop で
できること

  • 議事録・通知文・FAQ などの文章を、下書きから整える
  • 長い資料を要約し、要点と論点を引き出す
  • 申請書類の不備チェックや、抜け漏れの確認
  • Projects に資料を置き、文脈をもたせて相談する
実際の画面イメージをここに配置できます
Chapter 02 — First Steps

基本操作のはじめの一歩

この順番で触る。各ステップに自社の画面例(スクリーンショット)を追加できる。

STEP操作ポイント
01Claude Desktop にログイン会社アカウントで
02チャットで相談するまず議事録の整形を試す
03Project を作成する業務テーマごとに1つ
04参照資料をアップロード規程・テンプレを入れる
05Cowork で作業フォルダを指定触らせる範囲を限定する
06Skill を呼び出す定型作業をワンコマンドで
Chapter 02 — Cowork

Cowork の使いどころ

ひとりで進める作業と、チームで進める作業を分ける。Cowork はチームで検討する場面で使う。

Cowork が向く

チームで詰める

  • 議事録やFAQをその場で一緒に整える
  • 通知文の表現をメンバーで確認・調整
  • 手順やルールの草案を共同で作る
個人ツールが向く

ひとりで進める

  • 機密を含む下調べや個人の下書き
  • 定型業務の素早い処理
  • Projects に資料を貯めての継続作業
Chapter 02 — Claude Design

Claude Design:資料・デザイン作成の専用ワークスペース

2026年4月公開の Anthropic Labs 製品(リサーチプレビュー)。会話と直接編集で視覚的な成果物を作る。

項目内容
作れるものスライド・ワンページ資料・画面モック・操作できるプロトタイプ・マーケ素材
進め方指示 → 初版生成 → チャット・インラインコメント・直接編集・調整スライダーで修正
デザインシステムコードやデザインファイルから自社の色・フォント・部品を学習し、全プロジェクトに自動適用
書き出しCanva・PDF・PPTX・単体HTML。実装は handoff で Claude Code に引き継ぐ
提供範囲Pro / Max / Team / Enterprise。利用は既存サブスクの上限にカウント
注意Enterprise では既定でオフ。管理者が組織設定で有効化する
Section
03

環境と指示の設計

フォルダ・Projects・CLAUDE.md を整備し、指示を設計してから運用を始める。

Chapter 03 — Setup

初期フォルダ設計 と Projects 設計

責任者がテンプレートを作成し、メンバーはその構成に従う。

Folders

初期フォルダ設計

  • 00_共通テンプレート(書式・例文)
  • 10_議事録 / 20_通知文 / 30_申請
  • 90_アーカイブ(完了案件)
  • 命名ルールを1枚にまとめて共有
Projects

Projects 設計

  • 業務テーマごとに1プロジェクト
  • 参照資料と CLAUDE.md をセット
  • 「やること/やらないこと」を明記
  • 使い回す指示はテンプレ化
Chapter 03 — Folders

Claude 作業用フォルダの構成

このフォルダ構成は Cowork / Claude Code(ローカルのファイル操作)向けです。Projects のナレッジはクラウドにアップロードして使います。

Claude_業務ワーク/
Claude_業務ワーク/
├─ 00_INBOX_投入用/
├─ 10_参照資料_READONLY/
│   ├─ 社内規程/
│   ├─ 申請書テンプレ/
│   └─ よくある問い合わせ/
├─ 20_作業中/
│   ├─ 議事録/   社内通知/
│   └─ 契約確認/ 備品管理/
├─ 30_Claude出力/
│   ├─ 下書き/
│   ├─ 要レビュー/   # 出力先はここに固定
│   └─ 確定版/
├─ 90_アーカイブ/
└─ 99_Claude禁止/  # 個人情報・給与・秘密鍵
Point 01

原本を触らせない

渡すのはコピー。10_参照資料は読み取り専用にします。

Point 02

出力先を固定

生成物は必ず「30_Claude出力 / 要レビュー」へ。人の確認を通します。

Point 03

禁止フォルダを明示

99_Claude禁止 は読まない・触らない。.env や秘密情報も対象。

Chapter 03 — Claude Code

Claude Code は責任者だけが使う

ファイルを直接操作する機能のため、使用者を1名に限定する。

  • 影響範囲が大きい。フォルダやファイルを直接変更するため、誤操作の影響が広がりやすい。
  • 一貫性を保つ。設定・テンプレート・生成物の基準を1か所で管理できる。
  • 事故の切り分けが容易。操作者が限定されていれば、原因と復旧の対応が速い。
  • 教育の集約。高度な使い方の習得を責任者に集約する。
Chapter 03 — Commands

スラッシュコマンド:作業フェーズ別の操作体系

全コマンドを暗記せず、作業フェーズごとに使うものを決める。

フェーズコマンド使い方
初期化/initrepoを読み、初期のCLAUDE.mdを生成する(生成後は人が編集)
計画/plan編集前に計画を作る。大きな変更の入口
Skill管理/skills /reload-skills利用可能なSkillの確認・再読込
権限/permissions /permission-modeallow / ask / deny と現在のモードを確認
context管理/context /compact /clear使用量の確認、圧縮、セッション整理
検証/run /verifyコマンド実行と検証ループの管理
レビュー/code-review /security-review実装後のレビュー・セキュリティ確認
復旧・診断/rewind /doctor失敗時の巻き戻しと診断
Chapter 03 — Instructions

CLAUDE.md と グローバル指示の設計

前提を一度記述し、繰り返し利用できるようにする。

Global

グローバル指示

すべての会話に共通する前提。

  • 会社・部署の基本情報と言葉づかい
  • 安全・禁止のルール
  • 出力の体裁(敬体・箇条書きなど)
CLAUDE.md

プロジェクト単位の指示

その業務だけの約束ごと。

  • 扱う資料と参照のしかた
  • やること/やらないことの線引き
  • 成果物の形式とチェック観点
Chapter 03 — Prompt

Project Instructions の例

Project Instructions
あなたは[部署名]の業務支援担当です。

# 基本方針
- 社内規程・アップロード資料を優先して回答する
- 不明な点は推測せず「確認が必要」と明記する
- 個人情報・給与・マイナンバーは慎重に扱う
- 最終判断が必要なものは「担当者確認」と明記する

# 出力形式
- 社員向け:やわらかく簡潔に
- 管理職向け:結論 → 理由 → 依頼事項 の順
- 議事録:決定事項 / TODO / 未決事項 に分ける

# 禁止
- 法的判断を断定しない
- 就業規則にないルールを創作しない
- 個人情報を含む原文を不要に再掲しない
Why

回答を安定させる

共通ルールを最初に設定し、口調と判断を揃える。

Where

業務単位で設定

「問い合わせFAQ」「社内規程確認」などProjectごとに入れます。

Chapter 03 — Prompt

グローバル指示:CLAUDE.md の例

CLAUDE.md
# AI業務ルール

## 共通ルール
- 出力は必ず「下書き」として扱う
- 個人情報を含む内容は要約し、不要な再掲を避ける
- 法務・労務・税務の判断は断定しない
- 不明点は「確認が必要」と明記する

## ファイル操作
- 原本は編集しない/作業は 20_作業中/ で行う
- 出力は 30_Claude出力/要レビュー/ に保存
- 99_Claude禁止/ は読まない・編集しない

## よく使う出力形式
- 議事録:決定事項 / TODO / 未決事項
- FAQ:質問 / 回答 / 参照規程 / 注意点
Tip

200行以下で簡潔に

公式の目安。具体的・簡潔・矛盾なしを基本とする。

Scope

3階層で持つ

組織・ユーザー・プロジェクトの各レベルで設計します。

Chapter 03 — Harness

Harness:Claude を安全に動かす実行環境

設計・拡張・運用をまとめた周辺設計の総体。目的は性能の向上ではなく、操作範囲を限定し誤操作を防ぐことにある。

01 | 土台をつくる

Aフォルダ設計

触らせる場所と出力先を限定する

BProject Instructions

業務単位の共通ルールを最初に入れる

CCLAUDE.md

全体に効く永続的なグローバル指示

02 | 能力を広げる

DSkills

繰り返し手順を標準化して呼び出す

EMCP / コネクタ

必要最小限の外部接続だけ許可

FHooks

実行の前後に自動チェックを挟む

03 | 安全に運ぶ

G権限設定

使える人・機能を切り分ける

Hレビュー手順

出力は必ず人の確認を通す

I出力テンプレート

形式を固定し品質を均一化する

Harness = フォルダ設計 + 指示(Instructions / CLAUDE.md)+ Skills + MCP + 権限 + Hooks + レビュー + 出力テンプレート
Section
04

自動化

繰り返しの作業を、自然言語の指示ではなく仕組みで安定させる。Skills・Hooks・権限・MCP を組み合わせる。

Chapter 04 — Prompt

プロンプトの基本形(5要素)

良いプロンプトの型
# ① 役割
あなたは[部署名]の業務支援担当です。

# ② 背景・前提
添付の議事録メモをもとに、社内向けの議事録を作成します。

# ③ やってほしいこと
決定事項・TODO・未決事項に分けて整理してください。

# ④ 出力形式
箇条書き。TODOは「担当者/期限」を併記。

# ⑤ 制約
不明点は推測せず「要確認」と記載。個人名はイニシャルに。
Point

5要素をそろえる

役割・背景・依頼・形式・制約。この型に沿えば誰でも同じ品質になります。

Tip

1回の依頼は1つ

複数を詰め込まず、まず1つ。結果を見て次の指示を重ねます。

Chapter 04 — Prompt

すぐ使えるプロンプト集

コピーして [ ] を差し替えて使う
▼ 議事録の整形
次のメモを議事録にしてください。決定事項 / TODO /
未決事項 に分け、TODOは担当と期限を併記。不明点は
「要確認」と記載。 → [メモを貼り付け]

▼ 社内通知文
[内容] で社内通知文を作成。対象:全社員/丁寧で簡潔
/200字程度/件名も提案してください。

▼ FAQ回答
添付の社内規程に基づき [質問] にFAQ形式で回答。
回答 / 参照した条項 / 注意点 を示してください。

▼ 申請書チェック
添付の申請書の不備を確認。必須項目の漏れ・添付漏れ
・日付の矛盾を一覧化。判断が必要な点は「要確認」。
How

[ ] を置き換える

角カッコの部分を自分の内容に差し替えるだけで使えます。

Save

よく使うものは保存

定着したらSkill化して、呼び出すだけにします。

Chapter 04 — Prompt

Cowork への指示プロンプト例

フォルダを横断する作業の指示
# Cowork への指示

20_作業中/2025年6月_理事会/ のメモ3件を読み、
議事録を1本にまとめてください。

- 形式:決定事項 / TODO / 未決事項
- TODOは「担当者/期限」を併記
- 出力先:30_Claude出力/要レビュー/ に
  「議事録_理事会_20250609.md」で保存
- 99_Claude禁止/ は参照しない
- 個人名はイニシャルに伏せる
範囲

触れる場所を指定

読むフォルダ・保存先を明示し、操作範囲を限定します。

安全

禁止フォルダを明記

99_Claude禁止 など、触らせない場所を毎回伝えます。

確認

最後は人がレビュー

出力は要レビューに保存し、確定前に必ず確認します。

Chapter 04 — Skills

Skills化する業務

繰り返す作業を手順化し、品質を均一化する。型の決まった業務から着手する。

Writing

文書作成

  • 議事録の整形
  • 社内通知文の作成
  • FAQ の下書き
Check

確認・チェック

  • 申請書類の不備チェック
  • 記載漏れの洗い出し
  • 規程との突き合わせ
Support

問い合わせ対応

  • よくある質問への回答案
  • 社内手続きの案内
  • 定型メールの返信案
Chapter 04 — Skills

Skill の実例:SKILL.md 全文

skills/minutes-to-actions/SKILL.md
---
name: minutes-to-actions
description: 議事録メモから決定事項・TODO・未決を
  抽出する。「議事録」「TODO抽出」と言われたら使う。
---

# 手順
1. 入力メモを読み、発言を整理する
2. 決定事項・TODO・未決事項に分類する
3. TODOは「担当者/期限」を必ず併記する
4. 期限が不明なものは「要確認」とする

# 出力形式
## 決定事項
## TODO(担当 / 期限)
## 未決事項

# 注意
- 個人名はイニシャルにする
- 推測で担当・期限を埋めない
発動条件

description が肝

「いつ使うか」を書くと、Claudeが自動で呼び出します。

効果

誰でも同じ品質

手順を部品化することで、担当が変わっても結果が揃います。

管理

責任者が整備

SKILL.md は責任者が作成・更新し、全員で共有します。

Chapter 04 — Skills

最初に作る Skills 5選

SKILL.md に発動条件と手順を記述し、繰り返す業務を呼び出して実行する。

Skill目的
minutes-to-actions議事録から TODO・担当者・期限を抽出
internal-announcement社内通知文を会社の文体で作成
policy-faq社内規程に基づく FAQ 形式で回答
application-check申請書の不足・添付漏れ・期限を確認
contract-summary契約書・見積書から更新日・金額・注意点を抽出
Chapter 04 — Hooks

Hooks:必ず実行したいルールを自動化する

settings.json(hook 設定の例)
// 編集のたびに自動で整形する
{
  "hooks": {
    "PostToolUse": [{
      "matcher": "Edit|Write",
      "command": ".claude/hooks/format.sh"
    }],
    "PreToolUse": [{
      "matcher": "Edit",
      // 保護ファイルへの書き込みを止める
      "command": ".claude/hooks/block-protected.py"
    }]
  }
}
なぜ

指示より確実

「お願い」ではなく、決定的な処理として強制できる。

主なevent

Pre / Post / Session

PreToolUse・PostToolUse・SessionStart・ConfigChange などで割り込む。

用途

整形・保護・監査

自動整形、保護ファイルの遮断、設定変更の監査ログに使う。

Chapter 04 — Permissions

権限と設定:自然言語ではなく設定で守る

settings.json(permissions の最小例)
{
  "permissions": {
    "allow": [
      "Read(./**)",
      "Bash(npm run *)"
    ],
    "ask": [
      "Write(./**)"
    ],
    "deny": [
      "Read(./.env*)",
      "Bash(rm -rf *)"
    ]
  }
}
3段階

allow / ask / deny

許可・都度確認・禁止の3段で操作を仕分ける。

優先

secretを守る

.env や鍵の読み取り、危険なコマンドは deny で固定。

スコープ

個人と組織を分離

managed settings で組織標準を上書き不可にできる。

Chapter 04 — MCP

MCP:外部ツール・社内データを安全につなぐ

.mcp.json(接続の基本形)
{
  "mcpServers": {
    "database": {
      "command": "npx",
      "args": ["@org/mcp-postgres"],
      "env": { "DB_URL": "$DB_URL" }
    },
    "drive": {
      "url": "https://mcp.example.com/drive"
    }
  }
}
いつ

標準ツール外のとき

社内DB・SaaS・ブラウザなど、標準機能で届かないデータ/操作に。

組み合わせ

Skillとセット

接続(MCP)+手順(Skill)を一緒に設計すると再利用しやすい。

統制

managed MCP

Enterpriseでは接続先を組織で許可制にする。

Chapter 04 — Subagents

Subagents:調査・レビューを分担する

.claude/agents/api-reviewer.md
---
name: api-reviewer
description: APIの変更を互換性・安全性・テストの
  観点でレビューする
tools: Read, Grep, Glob, Bash(pnpm test *)
skills:
  - pr-review
---
# API reviewer agent
- レビュー専任。指示がない限りファイルを編集しない
- 互換性 / 入力検証 / 認証認可 / エラー処理 / テスト を確認
- ファイルパスと重要度つきで簡潔に指摘を返す
Why

本体のcontextを汚さない

コード調査・テスト失敗解析・セキュリティレビューを別agentに切り出し、要約だけを返させる。

Rule

権限は最小限に

レビューagentにWrite権限は与えない。作業境界と返却形式を定義してから使う。

Chapter 04 — Plugins

Plugins:拡張をチームに配布する

company-claude-plugin/
company-claude-plugin/
├─ plugin.json
├─ skills/
│   ├─ company-pr-review/
│   └─ secure-migration/
├─ agents/
│   ├─ security-reviewer.md
│   └─ api-reviewer.md
├─ hooks/
│   ├─ hooks.json
│   └─ block-sensitive-files.py
├─ mcp/
│   └─ company-issue-tracker.json
└─ output-styles/
    └─ company-review.md
What

配布の単位

Skill・agent・hook・MCPをまとめて全社に配る。バージョン番号を付け、破壊的変更は告知する。

Govern

コードとしてレビュー

shell実行・外部送信・secretの扱いを確認し、未承認pluginは制限する。

Chapter 04 — Memory

Memoryとhandoff:作業の継続性を設計する

docs/worklog/HANDOFF.md
# HANDOFF — 次のセッションへの引き継ぎ
## Goal
## Current status
- Done: / In progress: / Not started:
## Files changed
- path: 変更理由
## Tests / checks
- command: 結果
## Decisions made
- 判断と理由
## Open risks
- リスクと担当
## Next prompt suggestion
このHANDOFF.mdから再開。まずgit diffと
失敗テストの確認から始める。
Rule

contextは永遠ではない

重要な判断・検証結果・未解決事項は、セッションの外にファイルとして残す。

Where

置き場を分ける

継続的な好みはauto memory、repo概要はCLAUDE.md、作業ログはworklogに分ける。

Section
05

業務への応用

ブラウザ(Chrome)と Microsoft 365(Excel・PowerPoint・Word・Outlook)で、日常業務に直接組み込む。

Chapter 05 — Chrome

ブラウザ連携:まず3つを区別する

「何をどこで動かすか」を分けると、安全に使える。

種別できること向く作業
Claude in Chrome閘覧中のWebページを読み、クリック・入力・スクショとレーションSaaS操作、Webの反復作業
Claude Code with Chromeコード変更後にWebアプリを開いて検証(console/network/DOM)localhostの画面確認、E2E検証
Computer UseブラウザではなくOS上のアプリ操作へ拡張ローカルアプリの特殊なGUI

※ ブラウザ操作はベータ機能(Pro/Max/Team/Enterprise)。「Ask before acting(実行前に承認)」を基本とし、購買・送信・削除など高リスクは原則禁止。プロンプトインジェクション対策を前提に。

Chapter 05 — Microsoft 365

Microsoft 365:3つの利用形態を分ける

「ファイルを作るClaude」と「Office内で開いているファイルを編集するClaude」を分けて理解する。

利用形態使う場所できること
ファイル生成・編集Claude Web / Desktop / Mobile会話から XLSX・PPTX・DOCX・PDF を生成してダウンロード
Office アドインExcel/PPT/Word/Outlook のサイドバー今開いているファイル・選択範囲・コメントを文脈に編集
Office 横断作業複数のOfficeを同時に開いた状態Excel→PPTX→Word→Outlook と文脈を受け渡してつなぐ

※ アドインは有料プラン向け。CLAUDE.md は自動適用されず、常時効かせたい方針は各アドインの Instructions や Skills に記述する。

Chapter 05 — Excel

Claude for Excel:財務モデル・データ分析

開いているシートのセル・選択範囲を文脈に、モデルを読み・見直す。

できること

モデルを動かす

  • 前提・数値を変えて再計算
  • 数式・参照の誤りを点検
  • 集計・グラフの下ごしらえを作る
安全

扱いの注意

  • 外部ファイルの指示は untrusted として扱う
  • 上書き前に確認、元ファイルは保全
  • 機密シートは配布範囲を限定
Chapter 05 — PowerPoint

Claude for PowerPoint:テンプレ準拠の作成

アドインで編集するPPTXと、Claudeで生成するPPTXを分けて考える。

アドインで編集

開いているデックを整える

  • ブランド・テンプレートに準拠させる
  • 表記・文量・余白を揃える
  • ネイティブな図表・箇条書きに整形
Claudeで生成

資料から作る

  • 企画メモ・Excelからデックを生成
  • 構成案・ドラフトを一気に作る
  • 生成後はアドインで仕上げる
Chapter 05 — Word

Claude for Word:tracked changes・契約レビュー

変更履歴(tracked changes)とコメントを使い、人が受け入れを判断できる形で提案する。

得意な仕事

文書を整える

  • 契約書・規程のレッドライン
  • 議事録・報告書のメモ作成
  • 長い文書の要約と論点抽出
使い分け

生成 vs アドイン

  • 新規の起案:DOCX生成で下書きを作る
  • 既存の校閲:アドインで変更履歴を付ける
  • 最終確認は必ず人が行う
Chapter 05 — Outlook

Outlook と Office 横断

メール・添付・予定を扱い、Office間で文脈をつなぐ。

領域できること
受信箱 triage未読を「要対応 / 草案可 / ノイズ」に分類
返信草案文体に合わせて「未送信ドラフト」をcompose paneに置く
スレッド要約長いやりとりの決定・未解決・担当を引用付きで
添付読解docx/xlsx/pptx/pdf を開かずに変更点・要点を要約
Office横断Excelモデル→PPT要約→Wordメモ→Outlook返信を連携

※ 返信・予定は原則「未送信ドラフト」。管理者は Microsoft Graph 権限(Mail.ReadWrite 等)をリスク評価項目として確認する。

Section
06

運用・安全と導入支援

組織で安全に使い続けるための統制・安全ルールと、ハンズオンから導入ロードマップまでの導入支援。

Chapter 06 — Admin

管理者設定・権限・監査

Team / Enterprise で使う場合は、管理者側の初期設定を先に定める。

項目設定すること
SSO / SCIM利用者を ID 管理基盤と連携する
RBAC(権限)Cowork を使える人・使えない人を分ける
グループ部署・役職ごとに分ける(情シス・管理職・一般社員)
コネクタGoogle Drive・Slack・Microsoft 365 を必要最小限に
データ保持保存期間を定める
監査使用状況・ログ・支出を確認する
Cowork 利用範囲まずはパイロットグループのみ有効化する
Claude Code 利用者改善担当・情シスに限定する

※ Cowork の操作は監査ログ/Compliance API に未対応の場合があります(本資料作成時点)。最新の対応状況は管理コンソールで確認してください。

Chapter 06 — Enterprise

Enterprise運用:統制・監査・セキュリティ

組織規模で使う際に、管理者が採うべき領域。

領域管理すること
managed settings組織標準の権限・設定を上書き不可で配布する
managed CLAUDE.md全員に効く共通方針・禁止事項を管理者が配布
sandboxファイル・ネットワークの実行範囲を隔離する
secrets鍵・資格情報の読み取りを deny で固定する
データ保持保存期間・transcripts・ローカル情報の扱いを定める
監査設定変更・利用状況をログ化し、SIEM に連携する
Chapter 06 — Safety

禁止事項と安全ルール

運用を始める前に安全ルールを定め、全員で共有する。

  • 個人情報・機密はそのまま入力しない。必要時は伏字・要約で扱い、扱える範囲を明文化する。
  • 最終確認は必ず人が行う。対外文書・申請判断は、人のチェックを通してから確定する。
  • Claude Code は責任者のみ。ファイル操作を伴う作業は1人に限定する。
  • 判断に迷う場合は中断する。迷う指示は実行せず、講師・責任者に確認する。
Chapter 06 — Examples

個人情報の扱い:NG例 と OK例

「何を入れてよいか」を具体例でそろえる。

NG ・ やってはいけない

そのまま入力しない

  • 氏名・住所・マイナンバーをそのまま貼る
  • 給与・健康情報の原文を入力する
  • 対外文書をレビューなしで送付する
OK ・ 推奨する扱い

伏せる・要約する

  • 氏名は「A氏」などに伏せて渡す
  • 数値は範囲・割合に置き換える
  • 出力は要レビューに保存し、人が確認する
Chapter 06 — Hands-on

ハンズオン:空のrepoから6ステップ

CLAUDE.md・rules・Skill・permissions・hookの最小セットを段階的に作る。

Step操作目的
1/init で CLAUDE.md を生成不要な説明を削り、主要コマンドと禁止事項を追記
2.claude/rules/security.md を追加secretの出力・複製を全ファイルで禁止
3safe-refactor Skill を作成小さい差分と検証を伴う標準手順を部品化
4settings.json で deny を設定.env・secrets・危険コマンドを設定で遮断
5hook で保護ファイルを二重化設定ミスや誤操作に備え hook でもブロック
6/plan から実装を依頼計画 → 実装 → 検証 → 引き継ぎ の型で回す

完成後は /context で読込状態、/skills でSkill表示、保護ファイルへの編集が止まるかを確認する。

Chapter 06 — Agent SDK

Agent SDK:harness思想を自社システムへ

Claude Codeで検証した構成は、そのままSDK設計に対応づけられる。

Claude Code での構成SDK・自社harnessでの対応
CLAUDE.mdsystem prompt・repo summary loader
Skillsworkflow module・playbook
permissionstool allowlist・ポリシーエンジン・承認フロー
hookspre/post tool middleware・監査ロガー
MCPtool server・コネクタ
subagentsmulti-agent worker・planner / evaluator
/run・/verifyテストランナー・CI・評価harness
handoffファイルstate store・作業記録

CI bot・レビューbot・社内調査agentへ発展させる際も、toolはallowlistとポリシーで制御し、検証と監査を接続する。

Chapter 06 — Roadmap

導入ロードマップ

小さく始めて、安全を確かめながら段階的に広げる。

PHASE 1

準備

責任者がフォルダ・CLAUDE.md・権限を整備。対象業務を選ぶ。

PHASE 2

パイロット

少人数で実務適用。型と例文、Skillをためる。

PHASE 3

標準化

成果をSkills・Instructionsに集約。安全ルールを確定。

PHASE 4

展開

対象業務・部署を拡大。管理者統制を整える。

Chapter 06 — Starter Kit

スターターキット:コピーして使う最小構成

repo-root/
repo-root/
├─ CLAUDE.md           # 目的・構成・主要コマンド
└─ .claude/
    ├─ settings.json   # permissions(deny優先)
    ├─ rules/
    │   └─ security.md
    ├─ skills/
    │   ├─ run-project/
    │   ├─ review-pr/
    │   └─ release-notes/
    ├─ agents/
    │   ├─ code-reviewer.md
    │   └─ test-runner.md
    └─ hooks/
        ├─ block-dangerous-bash.sh
        └─ lint-after-edit.sh
How

まずコピーして削る

secret・本番操作・generated fileのdenyを自社repoに合わせて調整する。最初から完璧を目指さない。

Grow

3回繰り返したらSkillに

日常で3回以上繰り返した作業をSkillに追加して育てる。

Appendix — Glossary

用語集

本マニュアルで使う主な用語。

用語説明
通常チャットその場の相談・文案づくりに使う基本機能
Projects資料と指示をまとめた、業務単位の作業場(クラウド)
Coworkデスクトップのファイル/フォルダを横断する作業モード
Claude Codeターミナルで動く半自動の作業ツール(責任者向け)
Skills手順を部品化して呼び出す仕組み(SKILL.md)
CLAUDE.md全体に効く永続的な指示ファイル
MCP / コネクタ外部サービス(Drive・Slack 等)との接続
Hooks実行の前後に挟む自動チェック
Contact

導入を、伴走で確実に。

本マニュアルの内容を、弊所のハンズオン研修で貴社の業務に合わせて実装します。環境構築・指示設計・Skills化・安全ルールまで伴走します。

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